Another Promise

Verbal Promiseの山倉 勝久(弁護士)×中里 義人(高校生)。
状況は、下のおまけを読んで察してください。


 指を引き抜かれて、代わりに熱いモノが押し付けられる。
 その熱さに、咄嗟に腰を引いていしまう。
「ちょっと我慢してくれ。」
 抱えた僕の足に唇を這わして、チュッとキスをする。それを僕は、どこか違う世界の出来事のように見ていた。
「いっ……あああああっ!」
 目の前で火花が散る。
 熱い太いモノがゆっくりと僕の内に入ってきた。
 指とは比べ物にならない圧迫感が、僕の内側を押し広げていく。
「バ…カ。力抜けって言ってるだろ。」
「…む……りぃ…」
 上から苦しそうな山倉の声が聞こえた。そんな事を言われても、内臓をひっくり返されたような気持ち悪さと経験した事がない圧迫感に耐えるのが精一杯で、力を抜けと言われても抜き方が解らない。
「息を止めるな。何があっても呼吸し続けろ。」
 言われたとおりに、止めてしまっていた呼吸を再開する。
「はぁ…ああっ!」
 僕の呼吸に合わせて、僕を蹂躙しているモノがゆっくりと入ってくる。そのたびに、熱さと気持ち悪さが僕を侵食していく。
 だけど、不思議と痛みはない。
「…全部、入ったぞ。解るか?」
 内を押し広げて進んでいく圧迫感が、少しだけ治まる。
「こっち、元気がなくなってるな。」
「んっ! ……はぁ。」
 突然、前を触られて、腰が揺れる。そこは内を犯される衝撃で萎えてしまっていた。
「義人…。」
「っぅ…。」
 また山倉がキスをしてくる。舌を絡め取られるのと同時に、萎えた僕のモノを優しく揉みしだく。忘れていた快感が、じわじわと全身に広がっていく。気持ち良いのと悪いのとが、交互に襲ってくる。
 だけど、そのうち快感の方が僕を支配してくる。
「動くぞ。」
 一通り僕の唇を味わった山倉が、ゆっくりと腰を動かし始めた。
「あああっ!!」
 出ていくモノが内臓を全て引っ張っていかれそうな気持ち悪さが、せっかくの快感を食いつぶしていく。
「あっあっ!」
 動き出した山倉にしがみつき直して、その衝撃に耐える。
「……大…丈夫。傷つけたいわけじゃない。」
 かすれた山倉の声が、耳元で聞こえた。
 ゆっくりだった腰の動きが徐々に速くなる。腰の動きに合わせて、前を触る山倉の指が動きを速める。
 今度は指から紡ぎ出される快感が、内を突き上げられる気持ち悪さを覆い尽くしていく。それは挿入られる前の快感とは全然違う。体全部がトロトロに溶けてしまいそうな、変な感覚…。
「あ…、や…ま倉…さん!」
 突き上げられる気持ち悪さが、快感が追い上げられる感覚とシンクロして、体が一気に熱くなる。
「悪…い。もう…限界。」
 思う様に突き上げられて、僕も追い詰められる。
「ああああっ!」
「…っ。」
 一瞬、目の前が真っ白になる。意識が一瞬だけ途切れた。それと同時に、自分の中に山倉の精が吐き出されたのを感じた。

◆◆同人誌『Verbal Promise』のおまけ本『Another Promise』より抜粋◆◆
◆◆文:下月春夏 イラスト:篠宮薫◆◆


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